顎変形症の手術は美容整形なの？
受け口、しゃくれなどといわれるこの下顎前突症（かがくぜんとつしょう）の外科的処置は美容整形の外科手術となにが違うのでしょうか。
私が直接、先生から教えてもらったお話をお伝えします。
外科手術を伴う矯正治療：機能的な改善を第一に求めるもの
美容整形：審美的な改善を第一に求めるもの
という回答でした。
もちろん、外科的処置を伴う矯正治療も見た目の美しさを、美容整形も機能面の改善を追求してくれると思いますが、何を一番に考えるのかが違うのかなと思います。
また、外科的処理を伴う矯正治療の場合、下顎前突症という骨の病気を治すという治療の為、保険適用となりますが、
美容整形は治療というよりも、見た目の美しさを求めるため自費で高額な医療費がかかることが予想されます。
私の場合、見た目の改善も望みましたが、それ以上に健康面や機能面の改善のほうが優先事項でしたので保険診療で治療できる外科的処置を伴う矯正治療を選択しました。
美しさを考慮してくれたオトガイ形成
あご先を短くするオトガイ形成については、矯正治療を選んだ人の中でも調整してもらっている人がいます。私もオトガイを短くするかどうかは悩みましたが、先生同士が話し合った結果、全体の顔のバランスを考慮し、結局かみ合わせを治すだけでした。
このように矯正治療においても、バランスや美しさも考慮してくれるという部分もあるようです。基本的には先生たちが決定するような感じでしたが、希望すればオトガイ形成をすることもできたかもしれません。
すぐに手術できるの？
顎変形症の手術を決心したので、
先生！いつ手術できますか？
と聞きたくなるのですが、残念ながらすぐに手術する事は出来ません。
なぜなら、術後の安定的できれいなかみ合わせを実現するために先生方が綿密な計算をしてくれ、まずはワイヤーなどで歯並びを揃えていく事になるからです。
この歯列矯正は術前矯正と呼ばれています。
自費で行う、美容整形の場合はすぐに手術にむけて動くに対し、矯正治療は
術前矯正→手術→術後矯正
といったように段階を踏んでいくのでとても時間がかかりますね。
一歩ずつ、着実に進めていこう！
術前矯正
カムカムは術前矯正にはどのくらいの時間がかかったの？
歯並びは良いほうだったので約10か月間だったよ。
一般的にはかなり短い期間だったと思います。人によっては術前矯正に2年～数年かかる傾向が多いと感じます。
そしてもうひとつ、ちょっと残念なのがこの術前矯正では、下の歯を今よりも前に出さなければならなかったのです。
心理的には手術よりも辛かったかもしれません。正常なかみ合わせを夢見ているのに、下の歯を前にだされるのですから・・・
でもこれを乗り越えると、あごの骨を切ったときにきれいなかみ合わせを手に入れる事ができるんです。
長い人生を考えれば、１年や２年はほんの一瞬。その後の長い人生を正しいかみ合わせで生きる！と思えば、耐えられました。
個人的にはコロナ禍でマスク生活が続く今はチャンスだと思います。
治療前のカムカム
治療後のカムカム
周りの人たちに理解してもらう方法とは
手術で入院する必要があるこの顎変形症の治療は骨を削るため、時には「整形」と誤解される可能性があります。整形が悪いという意味ではありません。治療のために手術をするということを家族や学校、職場に上手に伝え、ストレスなく治療に望みたいものです。
整形と思われないか心配…
上手に伝える方法があるよ
ズバリ！
病気だという事をしっかりと伝えるのです。
私の場合、
顎変形症という骨の病気の治療が必要となったので
手術で嚙み合わせのズレを治すことになりました。
と職場に伝え長期間のお休みをいただくことができました。治療というワードを使うと心理的にも有給が取りやすくなります。
「顎変形症」という病名と「病気」というワードをあえて使用することで、整形とは違うという事を自分なりに強調しました。しつこいようですが決して整形が悪いという意味ではありません。
私は小さな頃から歯科医に「下顎の成長が大きく、上あごの成長が小さい」と言われ続けてきました。このまま放っておくと健康面にも影響してくるという事も30代以降から実感していたので、治療に踏み切って本当に良かったと思います。
また、出来ればこの治療は親が気づいてあげる事が理想だなと思います。
周りの反応は？
このように伝えたことで誤解されるような発言はなく、「そうなんだ大変だね、頑張ってね」と応援の言葉をもらう事ができ、精神的に長期休暇も取りやすくなりました。
また、意外と多かった反応として
実は私も噛み合わせに悩んでいて・・・
僕は、顎関節症なんだよね・・・
といった言葉でした。
かみ合わせや歯に悩みを抱えている人は多いものです。
勇気を出して話してみることで話が広がったり、打ち解けあうきっかけになるかもしれません。
もしも、一番初めに理解してもらう必要がある家族から理解が得られず苦しんでいる方がいたら、一度、このような伝え方をしてみてほしいです。
顎変形症をそのままにしていくと色々な障害が出てくると思います。私の場合、歳を重ねるにつれて、かみ合わせの左右差が出たり、うまく噛めないことによる頭痛、めまい、胃腸障害もありました。もしも整形でしょ、とかそんなの大したことないでしょ、と理解を示さない人が周りにいたらこのページを見せてあげてください！
以上、周りの人への伝え方について書かせていただきました。
まとめ
- 骨の病気であることを伝える
- 「顎変形症」というワードを伝える
- かみ合わせは全身に影響する可能性があるので治療が必要である
参考になればうれしいです。
