こんにちはアラフォーで顎変形症の治療をしたカムカムです。
手術前
手術後
このページでは私の顎変形症の治療記録と病院の選び方をご紹介していきます。
病院選びについてだけ知りたい方は、目次の5番目にある
「外科手術を伴う顎変形症の治療へ」へどうぞ!
小学生の頃に行った治療
小学校低学年頃からいわゆる受け口の状態で、はじめはリテーナーのようなものを1日数時間噛むという治療をしていました。現在よく矯正治療で使われる透明のリテーナーとは違い、ピンク色の歯型を噛むというものでした。噛んだままなので装着中は会話もすることができません。小学校低学年の私にとっては苦痛でしかないこの治療は長く続かず、また良い結果をもたらすことはできませんでした。今思うと、当時の矯正治療はまだまだ発展途上だったのでしょうね。子供のうちにしっかり治療できる現代人がうらやましいです!
その後、小学校4-6年に進むとヘッドギアによる矯正治療が始まりました。
←インパクト大のヘッドギア。
なんだか大変そう。。。
次なる治療はヘッドギアの装着。このころになると歯科医師からは手術を伴う外科矯正を薦められていましたが、親の方針もあり手術に踏み切ることができませんでした。その代わりに渡されたこのヘッドギア。せめてもの気遣いからか布地のバンド部分の色を選択できる仕組みでした。
このヘッドギアは基本一日中装着するように言われていましたが、学校につけていくなんてとても無理。力技で上の歯をゴムで引っ張り出し、下あごを金具で引っ込めるというこの治療は、心理的にも大きなストレスがかかるものでした。
しかし、当時私は小さな町に住んでいたので、片道4時間かかる矯正歯科まで毎月連れて行ってくれた両親には感謝しています。治療にかかった費用はおそらく100万円ほどだったと思います。にもかかわらず、いつしか装着を避けるようになり、母からはいつも「ほら、金具つけなさい!」と叱られていました。
「金具」ってすごいネーミングだよね。人造人間にでもなった気分だったよ。
ヘッドギアでの治療はこのあと、上記のイラストの状態よりもさらに進化し、おでこから鼻に向かって縦に2本のワイヤーが加わり、ワイヤーから前方向に前歯に装着したゴムで引っ張り出すという形態にもなりました。これは視界がワイヤーで遮られるので、とてもきついものでした。
気になる治療結果は、「わりと良くなった」と言えます。成長期真っ盛りの私の顎はどんどん成長していくのですが、それを金具で抑え込むという「力と力の戦い」。
効果はあったといっても完全に上の歯が前にかぶさるというよりは上下の前歯がちょうど同じ位置に当たるというレベルでした。
20代の頃に行った治療
月日は経過し、気づけば20代後半になっていました。
人生の華ともいえる20代はしゃくれたアゴで生きていましたが、実はそんなに悩んでもいませんでした。しかし、子供を産み20代後半になった頃、身体も顔も痩せてきたせいかなんだかかみ合わせが気になってきたのです。
当時のかかりつけの歯医者さんから紹介してもらい、街の中心部にある矯正歯科でブラケット(銀色のワイヤー)をつける歯列矯正のみでかみ合わせを治しました。
保険外診療でしたので、この時の治療費は約50万円+資料撮影代の治療費がかかりました。実はこの時も外科手術による治療の道も勧められていましたが、子供がまだ小さく、もしもの事があったら…と踏み切る事はできませんでした。
小さな子供を抱えての入院手術は今は難しいなと判断しました。歯列矯正なら子供がいても出来るので、歯の傾きを変えてかみ合わせを良くする方向で治療が決まりました。
顎の位置は変えられないので根本治療とは言えなかったと思いますが、かみ合わせはかなり良い感じになりました。顎はシュッとしてるけどかみ合わせはほぼ通常の人になれました。
ゴムかけが必要でしたので仕事中はついサボって外してしまう事もありました。(反省)
しかも一度、地下鉄で偶然先生と鉢合わせしてしまい、会話をしたことがあったのでゴムかけをさぼってるのもバレていたことでしょう。やさしい先生だったのでスルーしてくれました。
2年くらい矯正治療していたんだよね。おつかれさまでした。
歯列矯正のみの治療はお金と時間はかかりますが、満足のいく仕上がりでした。
しかし…
歯列矯正その後…後戻り
数年の歯列矯正の治療を終え、10年ほど経過した頃でした。かみ合わせがずれて、下の歯が前に出てくるだけではなく、左右にずれていくという切ない展開に陥りました。そこで、もう一度同じ矯正歯科に相談に行くことにしました。
もっとも恐れていた後戻り。しかも度重なる歯列矯正によって歯自体にも相当負担はかかっていたと思います。
ここで、ついに外科手術を伴う治療を始めることとなったのです。
子どもは中学生になり、私自身もアラフォーに差し掛かっていたのでもうここでやってしまおう!と勇気を振り絞って挑む事にしました。
40歳に差し掛かっていたし、もうこれがラストチャンスかもって思っていました。
不安や迷いがあったとは思うけど何かきっかけがあったの?
40代。SNSの力を借りて決断。
実は、手術に踏み切る大きなきっかけになったものがもう一つあります。それはインスタグラムでした。インスタグラムでは顎変形症の治療日記を投稿している人がとてもたくさんいるのです。治療後の写真を載せている皆さんの投稿を見ると、絶対に自分も治療したい!と強く思うようになりました。
友人知人には見られたくないけれど、同じ顎変形症の患者さんとだけ繋がって情報交換をしたい!という方は、非公開でアカウントを作成してみると良いと思います。
そして、プロフィールの欄に顎変形症の治療アカウントだという事を明記すると、同じ状況の人たちからリクエストがくるので、承認していました。私からも治療中の方や治療後の方々をフォローしていました。治療後の方々の写真を見るのは本当に励みになります。皆さんのビフォーアフターの写真を見て、自分もこんなにきれいなかみ合わせを手に入れられるんだ!と希望を持てるし長い矯正治療に暗い気持ちになっていてもモチベーションが上がります。
不安な気持ちや、質問などがあれば、写真とともに投稿すると誰かがいつも答えてくれました。時には病院に対する愚痴なんかもぶちまけると誰かがいつもアドバイスしてくれたり励ましてくれました。
皆さん本当にいい人ばかりです。きっと今まで辛い経験をしてきた人も多いのだろうと思います。人の痛みが分かるからこそ他人にも優しいのだろうなと感じました。(自分も含め。笑)
インスタグラムは、自分の趣味や日常を公開していくという使い方が一般的だとは思いますが、このように掲示板のような役割を持たせる事ができるのは大きな発見でした。
何より、顎変形症で悩んでいる人の生の声を聞けるのはとても貴重なものだと思います。
家族や友人には話しづらい、理解してもらえないであろう出来事も共有して解決できる。しかも匿名で。SNSと聞くとあまり良いイメージがない人も多いかと思いますが、こんな使い方もあると知っていただけたらと思います。
SNSのちからってすごいです。
このように私が顎変形症の治療アカウントを開設(承認制の非公開)し、同じ悩みを持つ仲間で情報交換や悩み相談をしたことは、本来は孤独を感じることが多いであろう治療を前向きにさせてくれる大きな存在でありました。
SNSにはかなり助けられました。
当事者の生の声が聞けるってすごくいいものだね。
外科手術を伴う顎変形症の治療へ
外科手術を伴う治療を行う場合、矯正歯科と外科手術をする病院の2つを決めなくてはいけませんでした。しかし、大学病院などでは矯正治療も手術も一緒に行ってくれるパターンもあるようです。
大学病院で手術する選択肢もありましたが、矯正歯科医から「大学病院の場合、医学生さんの見学などに協力する場面があるかもしれない、そういう事にはあまり・・という方でしたら手術件数の多い、〇〇病院の〇〇先生はおすすめです」と教えてくれたのでその病院に行くことにしました。
外科手術を行う病院を探す際は、インターネットで検索すると、各病院における外科手術の件数を調べることができるのでおすすめです。手術の件数が多い病院のほうが安心かと思います。
手術を行う口腔外科で私の顎の状態は、顎変形症という病気であると認められた為、まずは手術に備えて歯列を揃えるための矯正歯科を決めることになりました。(術前矯正と呼ばれています)
執刀医の先生からいくつか矯正歯科医院を紹介してもらいましたが、結局10年前にお世話になった矯正歯科にお世話になることにしました。
日本矯正歯科学会臨床指導医がいる医院を探す
2020年より「日本矯正歯科学会専門医」の名称が「日本矯正歯科学会臨床指導医」に変更されたようです。
日本矯正歯科専門医名鑑で検索すると、各地域の日本矯正歯科学会臨床指導医がいる医院を検索できます。この資格は高い技術をもつ矯正歯科医師の証拠ですので、より安心して治療に望めると思います。全国に約350名(2022年3月時点で349名)ほどしかいないようですので、ぜひ調べてみてください。
ちなみに、HPにも記載がありましたが、「臨床指導医と指導医はまったく別の資格ですので混同されないようにお願いいたします」とのことです。私自身も、日本矯正歯科学会臨床指導医の先生にお世話になりました。
また、歯科医院を決める時は長い付き合いになるので、先生との相性も大切だと思います。カウンセリング時の雰囲気や、説明の仕方、質問しやすい雰囲気であるかもチェックしました。
私自身が感じたのは、「なんとなく聞きづらいな、話しにくいな」と感じた所はあとあと良いことはない気がするので避けたほうが賢明だと思います。歯科医も人間なのでいろんなキャラクターの人がいます。この先数年間、少しでもストレスなく気持ちよく治療に臨むためにはぜひフィーリングも大切にしてみてください。
私は、神経質な性格なので、先生と他のスタッフとの雰囲気も観察しました。威圧的な先生じゃないかな、とか衛生士さんの表情や雰囲気もチェックします。あとは院内の清潔度も。ぜひ参考にしてみてください。
まとめ
いかがでしたでしょうか?このように人生のほとんどを歯科矯正に費やしている私です。
今までどのくらいお金をかけてきたのか、想像するのも怖くて計算したくないです。
一つ言えるのは、生まれつき歯並びやかみ合わせが良好な人は本当に恵まれています。歯は本当に大切です。人生を左右するといって良いと思います。
最近の子供は、虫歯をもっている子が多いと聞きます。少し話は逸れますが、保健体育の授業や家庭で、もっと歯の大切さを訴えても良いと思います。「きれいに歯を磨きましょう」だけではなく、かみ合わせや虫歯がもたらす身体への影響や、健康に保つための技術を身につけていくのはとても大切だと感じます。
昔何かで見たのですが、子供に歯磨きを訴える最も効果的な方法は、ぼろぼろになってしまった歯の写真を見せること、と言っていました。おそらく、かなり衝撃的な写真なのだと思いますが、これを見た子供はちゃんと歯磨きをするようになったそうです。ちょっと脅しのような方法なので、今の教育にはそぐわないかもしれませんね。
でも、大人になってから気づいてもすでに遅し。子供のうちに教えていくことは大切ですね。
以下、まとめになります。
・私の場合、2度にわたる歯列矯正によりかみ合わせを治したが時間の経過とともに後戻りしてしまった。
・アラフォーに差し掛かり、外科手術を伴う顎変形症の治療を行った。
・手術を行う病院選びは、件数を参考に。
・矯正歯科を選ぶときは、全国に約350名しかいない日本矯正歯科学会臨床指導医を選ぶと安心できる。
次の投稿では、顎変形症の手術と美容外科手術との違いについて書いていきます。